完了

道満晴明『最後の性本能と水爆戦』

いつの間にか出てたのをついこの前知った。あと、昔後輩に「ジャンルに分類しようとして、困ったからってファンタジーってつけないでください」と説教されたことを思い出した。あと、Google日本語入力がドウマンセイマンを一発変換できたことに驚いた。久々…

マイケル・シェイボン『シャーロック・ホームズ 最後の解決』

たかだか150ページの作品なのに、作中でリンクしてる単語から伏線を読み取った先はほぼ確実に作品の外部に誘導されるというすげーめんどくさい読み方を強いられた。もちろん行く先は<正典>(ごめん、僕はそんなにシャーロック・ホームズに恩を感じてないの…

ローランド・ジョフィ『キャプティビティ』

ぼくはホラー映画が大好きで、グロだろうがお化けだろうがモンスターだろうが変態連続殺人鬼だろうがとりあえずなんでもいいっちゃいいんだけど、グロとかお化けとかモンスターとか変態連続殺人鬼が好きなわけじゃあないので、とはいえそこのところを誤解す…

マット・ゼテル『ボックス』

父がレンタルしてきたので、家族と夕食時に観ました。終始ドキドキさせられ、エンディングではみんな涙を流し拍手をしていました。 本当に良いDVDでしたよねだってさ。変態連続殺人鬼が、監禁していた女に逆襲されてなんかトゲトゲのいっぱいついたバネ仕掛…

Paniq『From Zero to Hero』

ここのこれ。これは良い拾い物。あの『detuned グミ先輩の不思議空間』の音楽を作成した人のアルバム。『detuned...』の音楽のイカレ具合が尋常じゃないのでふと暇検索したら発見。縦ノリのリズムが気持ちいいTr.1"8-Bit Pioneers"に始まり、びっくりするほ…

アレクサンドル・アジャ『ハイテンション』

「ホラー映画によくありがちの馬鹿展開。殺人鬼に誘拐された友人を助けるために、逃げたり隠れたりしながら殺人鬼を追いかける」の叙述トリック。最後まで見終えると、割と真面目に鑑賞した90分すべてが無駄だったことがわかるという超絶技巧。驚きです。金…

曽利文彦『To 楕円軌道』

「ガチョンとかボシュッって音がよく聞こえるなぁ。宇宙なのに」ってツッコミはもういいや。「あれだけの大質量を何の気なしに送出してんじゃねぇ」とか、「影になっている部分がよく見えるね。まるで光が空気で乱反射しているみたいだ」とか、「水を無駄に…

アレクサンドル・アジャ『ミラーズ』

鏡で手を切ったら、確かに痛そうだね。僕も鏡で手を切らないよう気をつけようと思いました。

本多孝好『WILL』

あの薄気味悪さはわりとおとなしめに、欠損を抱えたまま生きている人が盛りだくさんの"MISSING"風味なお話でした。「人の思いは、ときに捩れ、ときに歪み、ときに行き場をなくして戸惑う」という作中の言葉がそのままぴったりで、欠損を埋めるために発せられ…

トム・ロブ・スミス『グラーグ57』

タグの通り。『ダヴィンチ・コード』みたいなエンタメだね。スターリンとフルシチョフの対立に伴ういざこざに利用されてる人々のお話。前作の懸念点がいちばん不愉快なところで結実したっぽい。Wikipediaで収集できる歴史を再話するだけのさして面白くもない…

Nathan Detroit『Southern Fried & Tested 2』

元素周期表を模したトラックリストに65曲。どれもこれもがSouthern Fried成分たっぷりのハイテンションっぷり。収録されてるアーティストをいちいち挙げるのもめんどくさいほどだけど有名どころを列挙するならArmand van Helden、The Black Ghosts、The BPA…

電気グルーヴ『20』

"電気グルーヴ20周年のうた"は恐ろしい。仕事中についつい歌ってしまいます。「銭湯帰りに死体を見つけたの。自転車置き場でこっちを向いてたの」って知らない間に口に出してたらしいです。皆さん、気をつけましょう。

Robert Henke『Indigo_Transform』

1時間付き合うには精神力が必要だけど、水の音と重なったり消えたりする重低音シンセが耳からヌルヌルと脳に入ってくるのが意識できた途端に、びっくりするくらい頭の中が真っ白になる。白いクスリなんかいらないですよ。このアルバムを聴くだけで、十分あち…

DJ Tasaka『Soul Clap』

"Waterside"の展開が気持ちよすぎるので1時間くらいループしたって飽きない。自然と頭が前後に動くですよ。

Last Step『1961』

変拍子ブレイクビートなアシッド。四つ打ちの楽しみとは異なった息継ぎのない高揚感ってやつ。「頭に悪そうな音楽」ってのは大好きなので、人工甘味料でドバドバ味付けされたようなクドクドしい多幸感を与えてくれるこのアルバムは、つまり僕の大好物だった…

Simian Mobile Disco『Temporary Pleasure』

テクノの形式美ってのはこういうもののことを言うんだろうね、っていうほどに王道スタイルを貫いた傑作だと思うわけですよ。音の作り方やリズムの構成が先達への愛で満ち満ちているわけですよ。もちろんただのコピペじゃあないですよ。"Off The Map"のメロメ…

スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』

文章がいつでもどこでも均質でノリもハリもないのがとにかく不満。一言でいえば「味がない」。「それは翻訳者のせい」とか「そも翻訳だから」とか「スウェーデン人は合理的だから(知らないけど)」とかいろいろ考えたけど、目の前に出されたモノがこれなわ…

平山夢明『閉ざされた街の怖い話』

ヤな感じだった。終盤の「ノムかテラスか」のえげつなさはかなり堪えた。

犬村小六『とある飛空士への追憶』

そこそこ面白かった。いかにもゼロ年代らしい他作品へのリスペクトには「またこの手合いか」とウンザリしたけど、ちゃんと自分の言葉で語り直している点が好感持てます。ストーリーそっちのけで自分の好きなことを思う存分やりつくしちゃう勢いが、僕が常々…

マイクル・コーニイ『ハローサマー、グッドバイ』

すごく面白かった。たぶん耳タコだけど「中高生のうちに読んでおきたかった」ってやつ。「ちっともなにもわかってないくせに全部わかっているふりをしつつ、でもそんな自分をちっとも認めない」っていう序盤の<若気の至り>描写が、いろんな障害を乗り越え…

ディーン・クーンツ『オッド・トーマスの霊感』

すごく面白かった。あらゆるパーツを完璧にコントロールして絶妙な場所とタイミングに配置していく手際(具体的に言うと、たとえば「ボダッハ」の使い方とか砂漠の美女とかアイスクリームとかね)が気持ちよすぎる。主人公のガツガツしない天然ヒーローぶり…

Martyn『Great Lengths』

最近ようやくダブステップってのが分かりかけてきたと思ってたのに、またよくわからなくなっちゃった。なんとなーく懐かしさを感じるアルバム。ほら、むかし瞬間的に"2ステップ"ってのが流行ったじゃあないですか(→あぁ懐かしい!)。あれはキラキラと華や…

Zombie Nation『Zombielicious』

つまるところ、驚異的に少ない語彙の中でどれだけ自分らしいシーケンスを開発できるか、ってところが最近流行りのあのテクノの本質なわけ? 頼もしい反面、「じゃあ2年後にまともに向き合うことができるの?」ってふと考えちゃう。「いまカッコよければそれ…

Tim Exile『Listening Tree』

WarpのサンプルCDに収録されてたのがいい感じだったので購入。ところでこのサンプルCDはWarpレーベルの対象商品2枚につき1枚だと思うんだけど、タワレコ行ってもHMV行っても1枚ごとに1枚つけてくれてる。「まぁWarpがいくら有名って言ったって所詮ニッチだか…

Prefuse 73『Meditation Upon Meditations[The Japanese Diaries]』

「日本の人が望んでいるものを作った」ってことらしいので(ホントかどうかは知らんよ)、まさしくその通りのアルバム。「で、じゃあどうして『One Word Extinguisher』の再発じゃあだめなわけ?」と思ったり思わなかったり。すげーカッコいいので満足は満足…

Venetian Snares『Filth』

さらりとえげつないタイトル。まぁ、まだマシなほうですかね。突然7拍子ブレイクコアからスタート。むろん「Venetian Snares的なもの」を期待して購入したわけだから、まさしく期待通りの覚醒作用。『Detrimentalist』に比べてほどよくパッションを制御でき…

つるの剛士『つるのうた』

大変素晴らしい企画で、選曲も僕のストライクゾーンにちょーまっしぐらなんだけど、録音に違和感を感じてたりして。このアルバムを買うことに決めた理由である"M"は、ボーカルがずいぶんと前に出過ぎているような気がするし、買ってジャケ裏見て狂喜乱舞した…

Wisp『The Shimmering Hour』

「洗練されたな」って感じました。『humpelndenBEATS』のころに比べれば格段にカッコよくなってるし、Tr.5"Seaway Trail"の驚異的な丁寧さにゾクゾクするし、Tr.10"World Rim Walker"のような十八番には堪らず頬が緩んでしまいます。ただ、小奇麗すぎやしな…

『SAW5』

誰が撮ってるかも検索しないままとうとう5まで全部観ている。前回お話しした通り、思いつきをストレートにやり逃げしただけの、種も仕掛けもないお話でした。「なんでもかんでもリンク張っときゃ驚いてもらえる」だなんて作話方法は、絶対このシリーズの監…

ミカエル・ハフストローム『1408号室』

「焦らす」「驚かす」「イヤな気分にさせる」というホラー映画の基本要素を忠実に効果的に利用している、とても素敵な作品でした。特に「焦らす」のネチネチ具合が堪らんかったのです。無意味にドアップな鍵穴映像とか、無意味に右側の空間が開いている構図…