ミステリ

マイケル・シェイボン『シャーロック・ホームズ 最後の解決』

たかだか150ページの作品なのに、作中でリンクしてる単語から伏線を読み取った先はほぼ確実に作品の外部に誘導されるというすげーめんどくさい読み方を強いられた。もちろん行く先は<正典>(ごめん、僕はそんなにシャーロック・ホームズに恩を感じてないの…

オレン・スタインハウアー『極限捜査』

出てたの知らなかった! たぶんタイトルで今野敏の本と間違えたんだと思う(←下手な言い訳)。前作『嘆きの橋』と同じく冷戦時代の東欧のどこかが舞台らしく、またあのゾクゾクとするジメジメ感が味わえるのかと思うとうれしい限り。前作がもう3年も前なので…

綾辻行人『フリークス』

綾辻行人は高校生の頃に読み切ったと思ってたのに、実はこれだけは読んでなかったという衝撃の事実。というわけで、綾辻が現役でチョーすごかったときの作品を、いまこの歳になって読むことができたというもしかしたら幸せな体験です。。。。と思ってました…

飛鳥部勝則『堕天使拷問刑』

(注意! 長いですよっ!)実は初アスカベ。大変楽しゅうございました。ペッカペカのハリボテみたいな登場人物と元気良く狂った村民の方々と「チープ!」と200回連呼したくなるようなオカルト趣味と激甘すぎる思春期の恋愛話をクッチャクチャにしてカーと言…

我孫子武丸『狩人は都を駆ける』

今朝本屋に寄ったら我孫子武丸の新刊があって、しかも『ディプロトドンティア・マクロプス』の関連作品だっていうからウォウと唸った。「僕の好きな我孫子武丸は『ディプロトドンティア・マクロプス』と『腐食の街』です」と語ったときにニッコリしてくれる…

皆川博子『倒立する塔の殺人』

皆川博子の作品に登場する人間は、どいつもこいつもエロいのです。女然り男然り。格別、少女はエロエロなのです。そこらへんの感覚については『聖女の島』を読んでもらうとして、ゆえにこの作品には並々ならぬ期待を抱いております。表紙、素敵だね。

皆川博子『花の旅・夜の旅』

ぬぉわっ。こんなものが出てただなんて知らなかった。扶桑社すげぇ。つまりアレです。講談社ノベルスから復刊していた『聖女の島』をついさっき読み終えて、やっぱすげぇぜ皆川博子!とか思いながら検索したらこんなことになってしまってました。やばい、『…

ミネット・ウォルターズ『病める狐』

あまりにミネット・ウォルターズ的な。大変おいしゅうございました。面白いミステリを心から希う方々には是非とも先入観なしで読んでいただきたいのであらすじは割愛。すべての布石が出揃ったのを機にハンマーが打ち下ろされた瞬間からの盛り上がりが素晴ら…

ミネット・ウォルターズ『病める狐』

とりあえず購入したことをご報告。いろいろなものを放り出していま読んでいる最中だけど、実は裏のあらすじとかぜんぜん読んでない。無論ネットで検索すらしていない。ミネット・ウォルターズが面白くないわけがないので余計な情報はデメリットだと思いまし…

ポーをめぐる殺人

これ。若島センセー御推薦の『Nevermore』って、きっとこれでしょ? とはいえ、ひどい邦題だな。"Nevermore"をどう訳すべきか悩んだ末の結論でしょうか。にしても罪作りなタイトルですこと。いま確認したら、やはり未訳と判断している人がいる模様。『黒猫』…

アララテのアプルビイ

これ。以前も言ったかもだけど、「本格とはかくあるべしっ!」だなんて唾飛ばして語るような方にはイネスは徹底的に不向きです。肩の力を抜いてゲラゲラ笑いながら読むのが一番楽しめると思いますよ。自分が適格かどうかテストしたい方はバークリー『ジャン…

奇術師の密室(2006-07-29)

これ。先日のグーラートに引き続き、またもや扶桑社ミステリにチェック漏れがありました。ここのダークホースっぷりにはホント困っちゃいます。困っちゃいますので、またRSSを取得することにしました。そのうちこの欄には『エンジンサマー』が出現することで…

ステーションの奥の奥(2006-10-30)

とりあえずここ。僕は、山口雅也は『奇偶』を書くためにこの世に生まれたのだと確信しているので、『奇偶』以降のすべての著作を読んでおりません。今回もその例に漏れずスルーするつもりだったのですが、講談社からのメールマガジンを読んでワクドキしてし…

ポケットは犯罪のために 武蔵野クライムストーリー(2006-10-07)

ここのどこか。浅暮三文の最新刊は強盗が遭遇した墓地での奇妙な出来事、RCカー故障で浮かび上がる大事件、密室からの遺言消失、大量の薔薇に隠された凶行、古書店に宝石を隠した強盗の意外な結末、奇行を続ける白シャツ男の謎、小説原稿を置き引きしてし…

文章探偵(2006.05.24)

これ。恥ずかしながら草上仁は未読です。故に今作が初草上となり、初草上がSFではないというのもなにやらアレな気がします。許してください。僕が悪いんじゃないんです。悪いのは××ばっかりの××です。××は人類の敵だと思います。

10ドルだって大金だ(2006.10.12)

これ。J文学の壮大すぎる空振りを乗り越えて急速に話題の中心になりつつある河出書房新社(実は昔からいい本を文庫で提供してくれている素晴らしい出版社なのですよ?)の新レーベル<KAWADE MYSTERY>の口火を切るは、『クライムマシン』のジャック・リッチ…

緋色の迷宮(2006.09.05)

これ。15歳の息子に少女誘拐の嫌疑がかけられるってだけでもイヤらしさ炸裂なのにその父親はどんな煉獄に投げ込まれるのかを書くと言うんですから、そりゃあもうあまりの痛さに耐えかねて身悶え必至なことでしょう。追い討ちをかけるように心許ない信頼と、…

12番目のカード(2006.09.29)

これ。文春のサイトには情報がありませんのでbk1の紹介を鵜呑みにすると単純な女子高生強姦未遂事件が、実は米国憲法の根底をゆるがす140年前の陰謀に結びついていたらしいです。今回はライムの頭脳が時空を越えるそうで、すわ**かといまから楽しみでなり…