書籍

道満晴明『最後の性本能と水爆戦』

いつの間にか出てたのをついこの前知った。あと、昔後輩に「ジャンルに分類しようとして、困ったからってファンタジーってつけないでください」と説教されたことを思い出した。あと、Google日本語入力がドウマンセイマンを一発変換できたことに驚いた。久々…

マイケル・シェイボン『シャーロック・ホームズ 最後の解決』

たかだか150ページの作品なのに、作中でリンクしてる単語から伏線を読み取った先はほぼ確実に作品の外部に誘導されるというすげーめんどくさい読み方を強いられた。もちろん行く先は<正典>(ごめん、僕はそんなにシャーロック・ホームズに恩を感じてないの…

本多孝好『WILL』

あの薄気味悪さはわりとおとなしめに、欠損を抱えたまま生きている人が盛りだくさんの"MISSING"風味なお話でした。「人の思いは、ときに捩れ、ときに歪み、ときに行き場をなくして戸惑う」という作中の言葉がそのままぴったりで、欠損を埋めるために発せられ…

ネヴィル・シュート『渚にて』

これ。新訳らしい。これを機に読めということでしょう。ところで『黙示録3174年』は、えーっと…。アホみたいな値段で売られてるけど、腰抜かすほど面白いので未読の方は是非。

ジョナサン・キャロル『木でできた海』

これ。藤原編集室によると「「木でできた海をどうやって渡る?」 元不良の中年警官の周囲で続く奇妙な事件。30年前の自分と時空を行き来して掴む、あまりに意外なこの世の “秘密” とは。鬼才の新境地。」とのことらしく。

本多孝好『チェーン・ポイズン』

これまた感情移入とは無縁の薄気味悪い話で。悪意も冷酷さもなしに、ただ単純に死ぬことに対するハードルを下げられるだけ、というシチュエーションが薄気味悪い。そのシチュエーションの中にあって、ごく普通に血の通っている考え方と行動をし、でもそれら…

貴志祐介『新世界より』

んー。んー。薄気味悪い社会システムがあって鼻持ちならない大人が支配していて外にはキモいクリーチャどもがウヨウヨしていて。どの構成要素ひとつとっても面白さ抜群なのに、そいつらが収まるべきところに収まるとなんでこんなに楽しくない小説になるのか…

ジェフリー・フォード『緑のヴェール』

まだ記憶の書を読んでないんだけどなぁ。。。実は3作目の翻訳者の人選にいろんな妄想を抱いてました。皆川博子とか、津原泰水とか、実は服部まゆみがすでに仕事していたとか、意外なところから管浩江とか。そういえば、短編集は出ないんだろうか。というか、…

Greg Egan『Incandescence』

あれ。いつの間にか出てた。こっちの表紙の方がかっこいいけど、こっちの方がイメージ近いのかな、と思ってます。トレーラーが秀逸。そういえば、ルーディ・ラッカーはなにしてるのかな、と思ったらブログ発見。結構老けた?

綾辻行人『フリークス』

綾辻行人は高校生の頃に読み切ったと思ってたのに、実はこれだけは読んでなかったという衝撃の事実。というわけで、綾辻が現役でチョーすごかったときの作品を、いまこの歳になって読むことができたというもしかしたら幸せな体験です。。。。と思ってました…

三津田信三『首無の如き祟るもの』

どうやら僕は本当に<本格ミステリ>が苦手になったようです。「本格ミステリとして無駄がない」のが一番性に合わない。時刻表とかトリックとか必然性とかめんどくさくてしょうがない。その手の「凝ってるなぁ」が「すごいなぁ」にならないで「めんどくせー…

ウフ.2008年5月号

これ。いまさら気が付いた。。「PR誌なのに250円?」と思ったけど、それよりなによりあと1250円分をAmazonに注文しないといけないのが困った。ところでこれをカートに入れたら冨田勲『月の光』を薦められたんだけど、誰かヤン富田と間違えて注文してない?

飛鳥部勝則『堕天使拷問刑』

(注意! 長いですよっ!)実は初アスカベ。大変楽しゅうございました。ペッカペカのハリボテみたいな登場人物と元気良く狂った村民の方々と「チープ!」と200回連呼したくなるようなオカルト趣味と激甘すぎる思春期の恋愛話をクッチャクチャにしてカーと言…

クリストファー・プリースト『双生児』

いまさらだけど、すごかった。『ドリームマシン』とか『魔法』とか『奇術師』を知ってる僕らは「じゃあ今回はなぁに?」といろいろ思い出しながらいろいろ妄想していたと思うんだけど、いやはやまさか、そんなところを攻めてくるとは思わなかった。この人、…

桜庭一樹『私の男』

僕の趣味じゃあないな。「お○○○ん」はないわ。ないない。あの章立ての小狡さと最終章の大爆笑ポイントと「将軍様、口上はもうよいので早く虎を」なところについて語りたいんだけど、これからきっともっともっと売れる作品だと思うのでやめておきます。読む読…

高野史緒のなにか

2008年前半に出せるか……?とのことだそうです。期待しましょう。そういえばまだ『ラー』読んでない。SFマガジンに掲載されたノヴェラ版を読んでニコニコしたんだから長編版も読んどけよ、とか思う。いや、あのころはまだ地雷処理的ななにかをしていたので「…

本多孝好『正義のミカタ』

そりゃあタイトル見た瞬間にいやな予感はあったけど、新年一発目からこれは強烈な……。背中捩って身悶えしながら読みました。感情移入ゼロ共感ゼロ爽快感ゼロモヤモヤ充填率230%。久々に読んだ本多孝好は、やはりあの本多孝好でした。『MOMENT』以来なので、…

山白朝子『死者のための音楽』

通勤途中に立ち寄る本屋で「きれいな装丁だにゃあ」と眺めていたのですが、この著者のことは不勉強ゆえ知りませんでした。どんな作品を書いているかも無論知らず。『幻想文学』は、瑕疵もりもりのアレな雑誌だったけど、でもときどき神懸った仕事をしていた…

佐藤亜紀『ミノタウロス』

第1章の歌うようなリズミカルな文章がすごい。背景と一緒に「ぼく」の顔を描いていく手際がすごい。見事なまでに研ぎ澄まされた機能的な文章で、つまりもうそれだけで美しい。第2章以降はもっとすごい。第1章で華麗に鳴らした旋律をベースに、変調してリフレ…

我孫子武丸『狩人は都を駆ける』

今朝本屋に寄ったら我孫子武丸の新刊があって、しかも『ディプロトドンティア・マクロプス』の関連作品だっていうからウォウと唸った。「僕の好きな我孫子武丸は『ディプロトドンティア・マクロプス』と『腐食の街』です」と語ったときにニッコリしてくれる…

皆川博子『倒立する塔の殺人』

皆川博子の作品に登場する人間は、どいつもこいつもエロいのです。女然り男然り。格別、少女はエロエロなのです。そこらへんの感覚については『聖女の島』を読んでもらうとして、ゆえにこの作品には並々ならぬ期待を抱いております。表紙、素敵だね。

ホセ・カルロス・ソモザ『Zig Zag』

残念ながら『イデアの洞窟』は未読であります。しかしこのあらすじにゾクゾクする僕はダメな娯楽小説ファンであります。ダン・ブラウンの『天使と悪魔』だって「CERNだってさー、バチカンで対消滅だってさー、わはははは」とか言いながら読んでる口ですから。

首藤瓜於『差し手の顔』

『脳男』はすげーすげーとゲラゲラ笑いながら読んだ記憶があります。赤外線のトラップを回避するシーンとか、めっさ楽しいじゃないですか。追記: 先日書店で立ち読みしたところ、赤外線じゃなくてワイヤーのトラップでした。

菅浩江『プリズムの瞳』

菅浩江については、『永遠の森 博物館惑星』がわたくしのSFの原点であるがゆえに、見逃すことはできませぬ。タイトル忘れちゃったけど祥伝社の400円文庫で出ていたあれを、友人に呆れられるほどベタ褒めするくらい、大好きなんです。自分にとっては、菅浩江…

アラスター・グレイ『ラナーク』

うわぁ、本当に出ちゃったよ。。。<国書にしては>ほぼ刊行予定通りに出たし、<国書にしては>お買い求めやすいお値段でございます(『ジョン・ランプリエールの辞書』のハードカバーのお値段を思い出すがよろしい)。ダンテ+カフカ+ジョイス+オーウェ…

アーサー・ブラッドフォード『世界の涯まで犬たちと』

これ。むかしSFマガジンのスリップストリーム(スプロール・フィクション? 横文字は苦手です)特集で扱ってた作家だったっけ? 名前はどっかで聞いてるんだけど思い出せぬ。小川隆訳なのでおそらくそんな感じだと思って買ってみた次第。「正気じゃない」と…

アミタヴ・ゴーシュ『ガラスの宮殿』

なんだよー。黙って出すなよー。むかし、『カルカッタ染色体』って本があったの。これがまたすごい本でね、超柔らかくなるまで噛み砕いて言うと「蜘蛛がいないのに一人立ちする『絡新婦の理』(濃縮版)」ってやつ? まだまだ入手可能だと思うからあんまり詳…

ジャネット・ウィンターソン『パワー・ブック』

えーまじでー。知らない出版社だからといってチェックミスの後悔は拭い去れませんな。なんか、SFみたいな?

ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』

こんにゃろ。知らないうちに出してやがったなっ!日本における最強の母文学(<最強の>母文学でも<最強の母>文学でもいいけど)といえば疑うべくもなく笙野頼子『母の発達』ですけど、イギリスの最強の母文学といえばジャネット・ウィンターソン『オレン…

A.C.クラーク『幼年期の終わり』

クラークってあんまり好きじゃないんだけど、池田真紀子で幼年期。このシリーズで出たなら読まないわけにはいかないねぇ。いやぁ、ジュリアン激萌えですからね(←バカ)。下巻はいつ出るのかな。ワクワクだよ。