ディーン・クーンツ『オッド・トーマスの霊感』

すごく面白かった。あらゆるパーツを完璧にコントロールして絶妙な場所とタイミングに配置していく手際(具体的に言うと、たとえば「ボダッハ」の使い方とか砂漠の美女とかアイスクリームとかね)が気持ちよすぎる。主人公のガツガツしない天然ヒーローぶりもゾクゾクする。登場人物のひとりひとりの顔がうまく描かれていて、彼らの<役割>が明らかになる瞬間に毎回鳥肌立ててた。読んでるうちにこっちの感情を素手で握られて思うように揺すぶられているわけで、いやはやなんとも腹立たしい、もとい素晴らしい。

とりあえず、最初の章だけでも立ち読みしたらいいんじゃないんでしょうか? もう、それだけで十分すぎるくらい面白いので。