Wisp『The Shimmering Hour』

「洗練されたな」って感じました。『humpelndenBEATS』のころに比べれば格段にカッコよくなってるし、Tr.5"Seaway Trail"の驚異的な丁寧さにゾクゾクするし、Tr.10"World Rim Walker"のような十八番には堪らず頬が緩んでしまいます。

ただ、小奇麗すぎやしないか? Diskunionには「ギーク」「散らかり具合」って単語があったので、そっち方面を期待しすぎたのかな。「昼飯はカレーカレー」と言いながら蕎麦食ったような、「いいんだけど、なんか違う」って感覚。Wispの【ギーク】ぶりは"The Bard"が最高峰だと思うし(Dave Arnesonに敬礼)、【とっ散らかり具合】は"FoldBold (The Siege)"で相当極まっちゃってると思うのだが? むしろこのCDに対しては、Wispが『NRTHNDR』のころからネリネリと表現してきた「実はちゃんとしたメロディメイカー」っていう、キワモノ路線ではないところから評価すべきだと思ってみたりした。そう考えると、Tr.13"The Fire Above"の多幸感は並々ならぬものになってたりする。

とはいえ、個人的には"Among the pines"のような「あんた、頭おかしいんじゃないの? でも、俺はそんなあんたが大好きだ」なところをWispに求めていたりするんだけどね。自分の思い込みを相手に強制するのはイクナイ!