オレン・スタインハウアー『極限捜査』

出てたの知らなかった! たぶんタイトルで今野敏の本と間違えたんだと思う(←下手な言い訳)。

前作『嘆きの橋』と同じく冷戦時代の東欧のどこかが舞台らしく、またあのゾクゾクとするジメジメ感が味わえるのかと思うとうれしい限り。前作がもう3年も前なので内容はすっかり忘れてしまいましたが、場の空気の匂いに惚れた記憶があります(いま思い出したのは金髪スパイがジャガイモ農場で足引きずってるかたわらに老婆がいる映像。そんなシーン、あったっけか?)。当時、個人的には相当盛り上がったので、わざわざご本人のサイトも探し出したりしました。

そういえばとふと思い出した。ちょうど同時期にやっぱり個人的に盛り上がったジャンリーコ・カロフィーリオの新刊は。。。あれ、去年出てる。うひー。でも、僕はこのレビューを信用しないのだ。なにせイタリア人の書いたミステリなのでどんなに状況が逼迫してて主人公が逼迫逼迫言ってるとしても基本的にはシエスタな文化(もっと言えば「次はイタリア抜きでやろうぜ」)が根っこにある国なわけだ。堅実と言えば聞こえはいいが、ヌルヌルしてると言ってしまった方がいっそ伝わると思う。『無意識の証人』は、そういう変なところに魅力がある作品でしたよ。