ステーションの奥の奥(2006-10-30)

とりあえずここ

僕は、山口雅也は『奇偶』を書くためにこの世に生まれたのだと確信しているので、『奇偶』以降のすべての著作を読んでおりません。今回もその例に漏れずスルーするつもりだったのですが、講談社からのメールマガジンを読んでワクドキしてしまいました。著者自身がいわく、本作の舞台となるのは、古城を思わせる東京駅。その迷宮さながらの駅構内の霊安室で、少年が悪夢のような事件に遭遇する。事件には通常の推理法では絶対解き明かせない謎を孕んでるんですって! 山口雅也の真骨頂は、レムに通じる、あの独特な、すべての本格ミステリを相対化する試みにあるので、否が応でも期待が膨らんでしまいます。