時の眼

これ

バクスターは大好きな作家です。なかでも『天の筏』が大好きです。「重力定数10億倍だから、飲み屋でダンスしていると互いにひかれあう(いろんな意味で)」ってのがオモロイし、奴隷みたいな男の子がエンジニアに拾われて再教育を受け、仙人みたいな風貌になってクジラに乗って宇宙を駆け巡って人類を救うだなんて、まさにSFじゃあないですか。

一方、クラークはあまり好きじゃないです。というか、『2001年宇宙の旅』が嫌いなんです。「人類はいつまでたっても猿だからさぁ、オレが笛吹いて踊らせてやらにゃあ、ねぇ」っていうのがなんとも。

で、この作品。

クラークとバクスターが、『2001年宇宙の旅』に始まる《宇宙の旅》シリーズを新たな角度から描くってのはさておき、地球は恐るべき天変地異〈断絶〉により、200万年にわたるさまざまな時代と土地がキルトのようにつぎはぎされていたってのがステキじゃないですか。しかも、無数の銀色の球体〈眼〉が、すべてを観察しているかのように空中に浮かんでいるってわけで、ほんのり「またか」と思わないでもないけど、しかしバクスターが絡むのならすげぇことになりそうな気がしてならない。

しかし、ハードカバー。文庫だったら躊躇せず買うんだけどなぁ。今日、デルモンテ買ってきちゃったばっかりだしなぁ。