夜は短し歩けよ乙女

これ

森見登美彦の小説は、あくまでも品(だけは)高い美文調と煮崩れた言葉としょーもない妄想が入り混じった挙句の、まさにユニークとしか言いようがないケッタイなスタイルが特徴なわけです。今回も見事に炸裂していました。ひとつ、引用しましょう。

偕老同穴の契りを交わした新郎新婦はまさに天衣無縫と言うべく、お姫様抱っこで接吻を交わすところを写真に取られてもなお恬然としている神をも畏れぬアツアツぶりは、たちまち参会者を黒焦げにした。
(『夜は短し歩けよ乙女』P.9)

万事こんな感じで進むのです。なんと舌触りのよい文章であることか。

最高の技術を駆使して最高に馬鹿なことを実現する人に対して、僕は最大級のリスペクトを贈ります。それは「母の大回転音頭」だったり「女房ころがし」だったり「六本木ヒルズで馬上戦」だったりするのです。ここにまたこうして「最高にお馬鹿」な作品が書かれたわけで、そりゃもう嬉しいに決まってるじゃありませんか。

しかしまぁ、なんですな。そのぅ、天然さんはグッときますな。

追記:

フリーペーパーは僕の地方じゃ配ってないのか。くそぅ。