thirteen
※映画じゃあないんですけど、管理上。
Masters of Horrorの新シリーズがいつのまにかレンタル開始していたのでした。前回の高打率はほとんど神憑りだったので、なにを躊躇するでもなくすべて借りてきました。寝不足とか、関係ありません。評価は5段階で。
- 鶴田法男『ドリーム・クルーズ』
- ジョー・ダンテ『男が女を殺すとき』
- スチュアート・ゴードン『黒猫』
- トム・ホランド『アイスクリーム殺人事件』
- 評価:1
- 子供に殺されたアイスクリーム屋が、十数年後に復讐するために街に帰ってくる話。殺そうとする相手を模ったアイスを子供に食わせると、対象者はアイスになって溶けてしまうのだっ! 下らなすぎてつきあいきれん。
- トム・ホランドって人のことはよく知らなかったけど、『チャイルドプレイ』の人だったんですね。アレもサイテーな映画でしたので、まぁそんなものかなぁと。
- ジョン・カーペンター『グッバイベイビー』
- ミック・ギャリス『ヴァレリーの誘惑』
- ジョン・ランディス『言葉なき隣人』
- 評価:4
- 陽気なフォークソングにのって(****自主規制****)ご家族を増やす男の話。とにかく頭のおかしい話な上に音楽のセンスが抜群。娘を寝かしつけるシーン、「もう家族を増やすのはやめて」と抗議する妻と口論するシーン、終始穏やかな笑顔の祖母とか孫をベタ可愛がる祖父。どいつもこいつも頭がおかしい。撮り方が秀逸であるゆえの、優秀な作品。
- 前回は『ディア・ウーマン』。その通りのお話です。Dearではないけど。
- ピーター・メダック『ワシントン・コード』
- 評価:5
- 祖母が死んだので葬儀に出席するために祖母の住んでいた地域に行ったら、世界史を塗り替えてしまうくらい衝撃的なジョージ・ワシントンの手紙を発見して、ワシントニアンと呼ばれる狂信者に追いかけ回される話。つまり、超おバカ陰謀ネタ。これ撮った監督、アメリカでフルボッコされてないか心配でなりません。ワシントニアンの生態系の馬鹿馬鹿しさが衝撃的。ワシントニアンのイコンとなっている絵も馬鹿馬鹿しすぎて衝撃的。全部通して頭に悪そうなお話で、僕のストライクゾーンのど真ん中に入ってきました。短編で撮るホラー映画として、実に効果的な作り。オチは大爆笑。
- グーグル先生に尋ねたら『スピーシーズ2』の監督であることが判明。ギーガーであることしか特徴がなかった1作目に対して「宇宙人同士の触手エロ」という斬新すぎるネタを投下したすごい監督であるということか。素晴らしいじゃあないですか。
- アーネスト・ディッカーソン『Vの伝染』
- 評価:1
- 伝染するVの話。21世紀なのにね。
- この監督について調べる気も起きなかったけど、そんなモチベーションの時ですらQuicksilverは優秀なツールなのでした。『BONES』という、いまよくテレビでCMしてるアレの監督らしいです。あぁ、あれもグズグズな話だった。『デーモン・ナイト』という映画を撮っているらしいですが、僕らの期待するデーモン・ナイトではないことは非を見るより明らかだわな。
- ブラッド・アンダーソン『ノイズ』
- トビー・フーパー『災厄の街』
- 評価:5
- 残念ながらクイーンではないです。海からの風に乗って「あるもの」が街にやってきて、住人が異常な自殺や異常な殺人や異常な事故に遭遇する話。実に普通なホラー、と思ってました。衝撃はラスト1分でやってきました。それまでの「普通なホラー」は、これをやるための壮大な前振りだったわけですな。恐れ入りました。
- 前回は『ダンス・オブ・ザ・デッド』。ゾンビ薬でとりあえず動けるようになった死体を電気ショックで踊らせる話。無論、盆踊りではない。
- ダリオ・アルジェント『愛と欲望の毛皮』
- 評価:5
- ダリオ・アルジェント大暴れ。神聖なアライグマの毛皮で作ったコートに関わった人間はとにかく自殺したくなっちゃうよ、という話。自殺の方法がバリエーション豊かで、つまりダリオ・アルジェント大暴れ。とはいえ、9割の人はドン引きするでしょうから、人前では「これがすき」とは言わない方がいいですよ。だから僕も「いや、ドン引きですよっ!」と言っておきます。
- 前回は『愛しのジェニファー』。グロい顔とエロい身体の女性を保護する警官が、その女性のグロい食生活とエロい性癖に振り回される話。いやまぁつまりこれまたダリオ・アルジェント大暴れだった。なーんだ、ダリオ・アルジェントって常に大暴れしてるんだね。スチュアート・ゴードンは、もう少しダリオ・アルジェントを見習うと良い。
- ロブ・シュミット『妻の死の価値』
- 評価:3
- 交通事故で全身に重度の火傷を負った妻を、夫は安楽死させようとするが、自動車メーカからの超高額な見舞金目当てで絡んでくる姑とか弁護士とか元愛人とかそこに群がるマスコミとか、とかく世間は騒がしい、という話。まぁ、それだけじゃあホラーじゃないんで、あれやこれやも出てきます。普通過ぎる出来。
- ロブ・シュミットは『クライモリ』の人でしょ? あれもごく普通のショッキングサスペンスだったんだよねー。なにか勘違いしている人みたいなので、もうホラーは撮らない方がいいんじゃないかな?
そんなわけで総合評価。
前回ほど神憑りな打率ではなかったけど、一発の当たりの大きさはやはり期待通り。とはいえ、話題作りのために話題の監督を起用するのはわかるが、できればシリーズとしての品質を確保するためにも、あと<Masters of Horror>という看板に嘘偽りがないことを示すためにも、ちゃんとしたものを撮れる人に参加してもらいたいッスね。別に「怖いグロいえげつない」だけを期待して観ているわけじゃあないんですよ?