Lithops『Mound Magnet Pt.2 - Elevations Above Sea Level』

2008年上半期ベストはOchre『Death of An Aura』だったけど、下半期のベストはもうこれで確定。

前作『Mound Magnet』は、Tr.1"Opposite of Windward"からTr.4"Vortext"までがそれまでのLithopsの集大成ともいうべきノンビートの電子音響で、Tr.5"Stakes Barrier"からTr.9"Conturn"はそこにMouse on Marsからのフィードバックが著しい強烈なビートでこさえた斜め上からの解釈が面白すぎる「正統派」四つ打ちテクノだったのでした。

今作『Mound Magnet Pt.2 - Elevations Above Sea Level』は、Tr.1"Rocturn"からTr.7"A Generation without Content"は前作の後半のスタイルを継承した音楽で、Tr.8"Mound Magnet Pt.1 Remixed"にそれらを全部ひっくるめたリミックスを配置し、Tr.9"Fahrtenheit"からTr.12"Baliation"で。。。いやもう、これはちょっと言葉にならんよ。聴くたびに気持ちよすぎて意識飛んじゃうんだもの。

Lithopsってプロジェクトはとにかくどのアルバムにしてもまず「実験的であること」が大前提としてあって、『Mound Magnet』以前は「そも音とは何か、と考えたときに音楽とは何か?」ということを追求した、そういう音楽だったのでした。そのあたりの歴史は『Scrypt』で再確認をすることができるけど、『Mound Magnet』以降は「そも音楽とは何か、と考えたときに音はなにをするのか?」という思想にシフトしていると思います。いままでさんざん追求してきた音の形に、Autechre曰く「飼い馴らされている音楽」の特徴としてのプロットをダイナミックに運用した結果が、こういう形で表現されたのでした。素敵っ!

というわけで、本作を聴くときは必ず前作からノンストップ再生でお楽しみください。この構成力が、そのまま、いま一番先鋭的な音楽の形です。